読書:2015年1月後半に読んだ本
今日で1月も終わり。少なくとも1月ぐらいは大量に本を読もう!と年の初めには本気で思っていたのだが、1冊も本を読まなかった週もあったりして、結果的にはそれほど多くは読めなかった。今月前半に読んだ本の感想はすでに記事に書いたので、今日は今月後半に読んだ本についてメモ。
まずは話題の本。近所の書店を探したが売り切れになっていたので、Kindle版を手に入れて読んだ。あまりにも複雑な問題を考える上で最低限押さえておくべき知識を与えてくれる良書である。
そして、日本の労働をめぐる問題を分かりやすく整理したこちらの2冊も読んだ。
若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐす (中公新書ラクレ)
- 作者: 濱口桂一郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/08/10
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (14件) を見る
日本の場合、職業的なスキルがあまり(もしくはほとんど)ない状態で就活を行い、どこかの会社に就職してOJTで必要な技能を身につけていき、長期にわたってその会社で働いて年功序列賃金をもらう、という在り方がいわば基本形となっている。
このような日本型雇用システムのもとでは、募集中のポストに合致したスキルがないと雇ってもらえない欧米諸国などとは異なり、若者の雇用問題が深刻になることは長い間なかった。つまり雇用問題というのは、給料が高いがゆえに人員整理の対象になる中高年の問題だったのである。それが経済情勢の変化により、1990年代に入ると若い世代でも正社員になれない人が多く出てきて、政府の政策でも若年層の雇用問題が考慮されるようになったのは21世紀になってから。また、正社員になれたはいいがいわゆるブラック企業で使い捨てされる人たちが出てきたのも、日本型雇用システムのもたらした問題なのだ、と著者は指摘している。
どちらの本も、働き方に関する制度設計をどう変えていくのが望ましいのかを考えるヒントを与えてくれる。内容的にはかさなるところが少なからずあるので、若者の雇用問題により関心があれば『若者と労働』だけを、中高年の雇用問題について特に知りたければ『日本の雇用と中高年』だけを読むという手もあるだろう。
最後はこちら。英語を母語としない人向けに書かれた、英語でのプレゼンテーションの進め方に関する本である。学会等で研究発表を行う人を読者対象にしているが、ビジネス絡みのプレゼンテーションにもかなり役立つ内容だと思う。英語をしゃべり慣れていない発表者がどんなところでつまづきやすいか、どのようにすればつまづきを回避できるかが解説されている。
English for Presentations at International Conferences
- 作者: Adrian Wallwork
- 出版社/メーカー: Springer Science New York
- 発売日: 2010/08/20
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 197回
- この商品を含むブログを見る