idea notes

備忘録のようなもの。たまに気が向いたときに書きます。

大英博物館展

ゴールデンウィークである。旅行の予定は結局立てられなかったので、連休初日だった昨日は東京都美術館の「大英博物館展 - 100のモノが語る世界の歴史」(6月28日まで開催)に出かけてきた。

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大英博物館に収蔵されている膨大な品々の中から100のアイテムをピックアップし、200万年にわたる人類の創造の歴史を振り返ってみようという展覧会である。大昔につくられた石器や土器から現代に製造されたごく普通のプロダクト(クレジットカードやサッカーユニフォームのコピー商品)までが展示されている。人類が作ってきたプロダクトのデザインが、その当時のその地域の文化や社会状況を色濃く反映することがよく分かる内容になっている。

個人的に特に興味深かったのは、紀元前3000年ぐらいの楔形文字が書かれた粘土板、1世紀に作られたアウグストゥス帝の胸像、21世紀に入ってからガーナで制作された棺桶だろうか。

粘土板は現在知られている中では最も古い給与明細のようで、どうやら当時のイラクではビールが給与として支給されていたらしい。かなり小さな粘土板だった。

アウグストゥス帝の胸像は教科書などで何度も見たことがあるけれど、実物を見るのは初めて。長生きをした皇帝だが、歳をとってからも若かったころの姿で彫像を作らせ続けたのだとか。他の多くの陳列物にも感じさせられたことだが、権力者にとってイメージ戦略というのは大昔から重要だったのだ。

ガーナの棺桶は古代エジプトの棺桶(紀元前600年頃)との対比で展示されていたもので、古代エジプトの棺桶が高貴な人物の偉業やその地位をアピールするものであったのに対し、現代ガーナのそれは故人の生前のキャラをアピールするものなのだ。狩猟好きだった故人のための棺桶は巨大なライオンの形をしているし、飲んべえだった故人の棺桶はビール瓶の形をしている。ナマズ型棺桶は魚釣りが得意だった人のものなのだろうか。ちなみにガーナの棺桶は、ライオンの形をしたもの以外は模型である。まず最初に模型を制作し、注文者のOKが出てから実際の棺桶作りに着手するのが通常のプロセスなのだろう。

大英博物館からやってきた100点のアイテムのあとに、実は「エピローグ」として、東京都美術館が選んだ101点目のアイテムが展示されている。坂茂建築設計が手がけた「紙管」(紙製の筒)による避難所用間仕切りである。大震災のときにも使われた、安価で人びとの生活を改善するデザインだ。

www.nikkei.com

ゴールデンウィークということもありかなり混んでいたが、混雑を我慢してでも見る価値が十分にある展覧会だと思う。東京の後は、福岡、神戸での開催が予定されている。

 

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