idea notes

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世界の「自由度」

英国のThe Independent紙が運営するニュースサイト、i100の公式Twitterアカウントのツイートを見ていたら、こんなレポートがあることを知った。米国の人権団体が、世界の民主化の状況について出している年次報告書だ。


Discarding Democracy: A Return to the Iron Fist | Freedom House

世界195カ国・15地域を、政治的権利(選挙権・複数政党制の有無・政府が機能しているかどうかなど)や市民権にかかわる状況(表現や信教の自由、団結権、法治の状況など)をもとに評価したレポートである。タイトルを翻訳すると、「民主主義を捨てる:鉄拳への回帰」みたいな感じになるだろうか。2015年版では2014年にさまざまな国・地域で起こったことが整理されていて、私たちが日本での報道で知ることができているのが、ごく限られた事柄なのだと感じさせられる。

レポートによれば、政治的・市民的権利は世界全体としてここ9年間縮小の一途をたどっており、民主主義的価値観をあからさまに拒絶する独裁政権も増えているとのこと。昨今のテロリズムについてはこんな指摘がされている。

In a variety of ways, lack of democratic governance creates an enabling environment for terrorism, and the problem rapidly metastasized as a threat to human life and human freedom during 2014...The spike in terrorist violence laid bare widespread corruption, poor governance, and counterproductive security strategies in a number of countries with weak or nonexistent democratic institutions.

民主的制度が整っていなかったり存在しているがゆえに権力の腐敗がはびこり、ガバナンスの問題を抱える国がテロリズムの温床となっている、といったところか。それ以外の国々に関しては、増大するテロの脅威を口実に、政権と対立する勢力を力で押さえ込もうとする動きが出ていることが指摘されている。

 

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